国境なき医師団における活動 [42期生 池田知也]

42期生の池田です。2008年度から2009年度まで初期研修を沖縄県立中部病院で行った後、他院で主に消化器外科の修練を積み、外科医として日本の病院で働く傍ら、2015年より、時折、日本の病院を休職して国境なき医師団の活動に参加してきました。これまでにイエメン、コンゴ民主共和国、イラク、南スーダンに計9回、派遣されました。

中東での活動は、主に戦傷外傷患者、なかでも銃創、爆傷患者の対応に当たることがほとんどです。日本ではまず見ることのない症例に対応します。どこに損傷を受けているかはさまざまであり、活動地では、整形外科、血管外科、泌尿器等、専門外の領域の対応に当たる必要があります。

戦傷外傷患者への手術対応

帝王切開に対応

テントの手術室で活動することも

アフリカでの活動では、ダイナミックな手術頻度は減るかもしれませんが、さらに多岐にわたる領域への対応が必要となります。帝王切開は必須の手技であり、産婦人科領域の対応頻度が多くなります。また、電気がなく火を使って生活をしている人々も多いため、熱傷症例がかなり多く、皮膚移植等の処置が必要となってきます。その他、日本では教科書でしか見たことのないような新生児の先天性疾患にも遭遇します。

中部病院で学んできた、幅広い疾患への対応能力が役に立っていると実感しています。
今後も、日本の医療と国境なき医師団での活動を両立できればと考えております。

アフリカでの活動地の宿舎

マラリア流行地では蚊帳を使用