主催者側である中山由紀子先生(41期)によるアラムナイセミナー3のレポートです:


開催時のアピール文:
救急医療、そして沖縄県立中部病院に興味のある皆様!!
全国の現役救急医が救急医療を熱く語ります!!
中部病院の現役救急医によるリアルERを再現したゲームを体験しましょう!!
充実の5時間をお約束します!!

  日時:2019年10月5日(土)9:00〜14:00
  会場:東京医科歯科大学 医科新棟5階 症例検討室
  対象:全国の研修医・医学生・医師・医療関係者
 参加費:無料(昼食付き)


2019年10月5日(土曜日)、東京医科歯科大学付属病院にて「救急医療」をテーマに第3回アラムナイセミナー を開催いたしました。

最終参加人数は30名(学生12,初期研修医7,救急科専攻医3,その他8)となりました。

講師には、OCHアラムナイである宮崎県立宮崎病院救命総合診療センター長兼救急総合診療センター救命救急科主任部長の雨田立憲先生、福井大学医学部付属病院救急部助教の山田直樹先生、順天堂大学救急診療科准教授の近藤豊先生、そして沖縄の米国海軍病院で後期研修をされた国際医療福祉大学准教授の志賀隆先生をお招きしました。

雨田先生には断らない救急を目指す理由とERの文化のないところでの到達点についてご自身の経験談を交えてお話しいただき、時々クスッと笑わせていただきながらもそのご苦労を想像し、断らない救急には院内の協力・理解が不可欠であることを改めて実感いたしました。

山田先生には、田舎の大学の救急医療とER医の仕事の多様性について語っていただきました。昔と変わらず親父ギャグ満載で、上司である林寛之先生のテイストが加わり、ご講演はさらにパワーアップしておりました。ER医に限らず、救急医とはその地域や病院の機能によって求められる能力やカバーする範囲が全く異なるものだという事をみんな知ることができたと思います。

山田先生と同期の近藤先生には”救急医療の現在から未来への架け橋~OCH、聖路加、ハーバードの経験から~”という題で、質の高い救急医療を提供するためにもアカデミックな視点をもつことの重要性について語ってきただき、身が引き締まる思いがしました。

午前の部は講演だけでなく、当院メンバーで企画した全員参加のゲームセッションも行いました。

中部病院救急センターの特徴といえば、なんといっても「マルチタスク」です。今回はそれを少しでも肌で感じてもらおうと、ほぼ同時に多数受診する患者群を、短時間でどういう考えでどういう順番で診療していくか、スモールグループに分かれて(当院メンバーに追い立てられながら)自由に意見を出し合い、議論してもらいました。

みんな夢中でディスカッションし、盛り上がっていました。

また、午後の部では志賀隆先生にご登壇いただき、循環器救急の落とし穴についてM&M症例のスモールグループディスカッションを通してみんなで思考過程を共有しました。

救急現場ではどう思考するべきか、非常に勉強になる講演であったと同時に、その素晴らしい講義の進め方は指導医たちにとっても非常に勉強になりました。

最後の講師全員でのwrap-up discussionでは時間ギリギリまで多くの質問が飛び交い、何人かの学生からは当院に興味を持ったという感想もきけて、参加者、講師とも非常に楽しんでいただけたセミナーとなったと思います。


ご後援:一般社団法人JrSr
ご協力:株式会社京都科学